阿佐ヶ谷スパイダースは96年の旗揚げから、毎回キャストを集めて新作を発表する「演劇プロデュース・ユニット」として活動してきました。これは作品の多様性を高めるためには実に最適な形態であったと言えます。「劇団」と称していなかったからこそ、多くの方々と創作をする機会を得、20年間という年月解散することなく続けて来られたのかもしれません。
ですが、沢山の人に支えられ活動してきたこの20年間で<演劇>を取り巻く状況は大きく様変わりし、同様に我々の思考も変化しました。より「過激」に自分たちの理想を追い求めるため、<より自由に><より幅広く>活動を展開していくために、2017年5月、満を持しあえて「劇団」として活動していくこととなりました。
「劇団」というかつて抱いていた堅苦しいイメージの集団を目指すわけではありません。緩やかに繋がっているような我々なりの新しいカタチを模索します。俳優だけでなく裏方も含め新たなメンバーも迎えました。これからも徐々にメンバーを増やし拡大していくつもりでもあります。創作コミュニティとしての「劇団」を築いてゆきます。これまで通りの演劇公演は勿論劇団の活動の中心となりますが、これまで行ってこなかったワーク・イン・プログレスなども取り入れ、活動の形態を広げてゆきたいと考えています。
創作コミュニティとしての「劇団」というものが果たしてどう航海してゆくのか。楽しみにしていただければ幸いです。